3/30/2006

井上陽水全国ツアー

陽水弾き語りでツアー開幕

 井上陽水(57)の全国ツアーが29日夜、青森市文化会館で開幕した。全国26カ所32公演で、7万人を動員する久しぶりの大規模ツアー。自らの原点であるギターの弾き語りを中心に、この日発売した4年ぶりの新曲「新しい恋」も披露。集大成の内容に客席は大興奮。来年から始まる大定年時代を前に、青春をともに生きた団塊世代のハートをのどで潤した。

 雪が舞う中、4年ぶりの新曲を引っさげて臨んだ全国ツアーは、弾き語りで幕を開けた。歌手名アンドレ・カンドレで69年にデビューしてから37年。ギター1本抱えて歌う姿は、いわば原点。しかも1曲目は75年秋、移籍したフォーライフから初めて発表したシングル「青空、ひとりきり」。突き抜けた中に悲しみをたたえた歌でライブは始まった。

 青春の希望と挫折、陰うつとした葛藤(かっとう)。同世代の観客がそんな若かりし頃に思いをはせる中、陽水は「じゃあ、若い時に作った曲たちを」と言い「限りない欲望」「心もよう」など初期の名曲を、すべて弾き語りで歌い上げた。抑えた空気の中で時には叫び、メロディーに表情をつけるワザは天下一品。同世代のファンたちに「みなさん、油断めされるな」との言葉を贈った。

 「人生を折り返した」という認識はある。でも「残りの時間」を意識したことはない。団塊世代の代表として起用されたサントリーオールドのCM。陽水は「長いよ、これから」と呼び掛ける。そんな思いがこの日の歌声にもあふれた。中盤で披露したのは4年ぶりの新曲「新しい恋」。新しい恋をしたら 新しい靴を履こう――と初々しい詞を何とも楽しげに歌う。その姿にファンは笑顔で手を鳴らし、リズムに合わせて体を揺らした。

 2時間で約20曲のツアーは7月まで。翌8月で58歳になる。終演後、トリノ五輪で活躍した女子カーリング「チーム青森」の話題に及ぶと「夜中にクギ付けで見た。結婚される人がいるんでしょ」とすっかりはまった様子。「お客さんのおかげでここまで来られた。そういうことを最近、素直に言えるようになったね」。今が一番とばかりに、うれしそうに笑った。

すごいエネルギーですね。全国ツアーをこなすのですからね。

夢を与え続けて下さい。

57歳で人生を折り返していると感じるのだから、114歳まで生きる予定なのでしょう。羨ましいです。