1/13/2006

無実とDNA鑑定

死刑執行後のDNA再鑑定で有罪確認 バージニア


殺人罪で死刑判決を受け、1992年に無罪を主張しながら処刑されたロジャー・コールマン元死刑囚(当時33)のDNA鑑定がこのほど再度実施され、その結果から有罪が確認された。再鑑定を命じたバージニア州のウォーナー知事が12日、発表した。

コールマン元死刑囚は82年、同州グランディで妻の妹(当時19)を殺害したとして死刑判決を受けた。被害者はレイプされた上で首を切られており、状況証拠や現場で見つかった髪の毛などから元死刑囚の犯行と断定された。90年には現場に残された精液をもとにDNA鑑定が行われたが、当時の技術は誤差が大きく、弁護側は結果を疑問視していた。

コールマン元死刑囚は一貫して無実を主張。米主要メディアはそろってこの問題を取り上げ、州当局には世界各地から処刑に反対する手紙が殺到した。元死刑囚は死刑執行の直前、「今夜、無実の男が殺されようとしている。私の無実が証明された時、米国は死刑制度の誤りを思い知るだろう」との声明を読み上げた。

支援団体は死刑執行後も運動を続行。これを受け、ウォーナー知事が今月初め、異例のDNA再鑑定を命じた。米国内でこれまでに、死刑囚の無実が執行後になって科学的に証明された例はなく、今回の結果は死刑制度をめぐる議論にも影響を与えるとして注目を集めていた。

鑑定を実施したトロントの科学捜査センターは、精液がコールマン元死刑囚のものだったとの結論を出し、「別人のDNAと一致する可能性は1900万分の1にすぎない」と報告している。

発表を受け、支援団体の代表者は「認めるのはつらいが、私が間違っていた。腹を足げにされたような気持ちだ」と語った。一方、死刑反対派の運動家ピーター・ニューフェルド氏は「1つの例だけで過去30年間に執行された1000件の死刑が正しかったということにはならない。他州の知事もこれにならい、再鑑定などによる確認を実施すべきだ」と話している。

支援した人にとってなんだったのだろうか?

最後の仮面を脱ぎ捨てることをしなかったのだろう。

無実の訴えの場合も要注意ということだろうか。

最後の最後までウソもありなのかもしれない。