11/13/2005

タミフル服用で行動異常死

「タミフル服用で行動異常死」学会報告 専門家は疑問視


 インフルエンザ治療薬オセルタミビル(商品名タミフル)を服用した患者の中高生2人が異常行動を起こした後に死亡した事例がある、とNPO法人「医薬ビジランスセンター」(大阪市)の浜六郎理事長(医師)が12日、津市で開かれた日本小児感染症学会で報告した。浜理事長は「異常行動は薬の副作用」と指摘するが、厚生労働省研究班の専門家はインフルエンザがきっかけで起きる脳炎・脳症の前にも異常行動が出ることがあるとして、副作用との見方に否定的だ。

 浜理事長の報告によると、04年2月、17歳の男子高校生がタミフル1錠を飲んだ約3時間半後、素足で家を飛び出し、塀を乗り越えてトラックにはねられて死亡した。05年2月には、14歳の男子中学生がタミフル1錠を飲んだ2時間後、寝ていた部屋から見当たらなくなり、マンションの下で転落死しているのが見つかった。

 浜理事長は「副作用で異常行動が起きたと考えるのが自然。インフルエンザは安静にすることが大事で、薬に頼るべきではない」と言う。これに対し、厚労省インフルエンザ脳炎・脳症研究班に所属する横浜市立大学の横田俊平教授(小児科)は「発熱や他の薬の影響なども考える必要があり、副作用と判断するには科学的根拠が薄い」と話している。

 販売元の中外製薬によると、タミフルは昨シーズンは大人を含め約1000万人分が使われたとみられる。また、研究班によれば、インフルエンザにかかった子どもの9割に処方されているという。

 厚労省は昨年6月、「医薬品・医療用具等安全性情報」で、タミフルを服用した10代の女性が窓から飛び降りようとして母親に制止された例などを報告。薬品の添付文書でも副作用として意識障害などの神経症状が追加された。

 今回のケースについて、同省安全対策課は「高校生のケースは製薬会社から報告を受けた。服用との因果関係ははっきりしないが、異常が認められた場合は十分に観察してほしい」と注意を呼びかけている。

医師の学会発表だから、いい加減な報告ではないと思う。

しかし専門医は、やや否定的な見解だと言う。

臨床医が、最初に気がつく場合もあるから、注意を要する事例だと思う。

早めに専門医も調査に加わる必要があると思う。インフルエンザ治療薬の国家備蓄を政府が始めるというニュースもある。