1/18/2006

芥川賞・直木賞

芥川賞に絲山秋子氏
直木賞には東野圭吾氏


第百三十四回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が十七日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は絲山秋子さん(39)の「沖で待つ」(文学界九月号)、直木賞は東野圭吾さん(47)の「容疑者Xの献身」(文芸春秋)に決まった。賞金は各百万円。贈呈式は二月十七日午後六時から東京・丸の内の東京会館で。

 芥川賞の絲山さんは四度目、直木賞の東野さんは六度目の候補で受賞。いずれも人気と実績を兼ね備えた実力派だ。

 「沖で待つ」は、住宅機器メーカーに同期入社した「私」と「太っちゃん」の交流を描いた温かくも切ない作品。選考委員の池澤夏樹さんは「同僚としての男女の友情という、小説では難しいテーマを巧みに、そしてしみじみと書いた」と授賞理由を説明した。

 「容疑者Xの献身」は天才的な頭脳をもつ数学教師・石神がひそかに心を寄せる女性のために“完全犯罪”をもくろむミステリー。選考委員の阿刀田高さんは「トリック主体の推理小説として非常に優れており、作家の力量も高い」と評価した。

 芥川賞の絲山秋子さんと直木賞の東野圭吾さんは十七日夜、東京会館で、そろって記者会見に臨んだ。

 絲山さんは赤いジャケットにジーンズ姿。会社勤めの経験を題材にした受賞作について「働く現場をうまく書くための入り口にようやく差し掛かったかな、という感じ」と語った。

 黒いシャツに黒のジーンズの東野さんは「今回で(候補は)六回目。やっぱり今日は勝てて良かった」と喜んだ。

 いとやま・あきこ 1966年、東京都生まれ。早稲田大政経学部卒。住宅機器メーカーを退社後の2003年、「イッツ・オンリー・トーク」で文学界新人賞を受賞し、作家デビュー。著書に「袋小路の男」「逃亡くそたわけ」など。

 ひがしの・けいご 1958年、大阪市生まれ。大阪府立大工学部を卒業後、エンジニアとして勤務しながら85年「放課後」で江戸川乱歩賞。99年に「秘密」で日本推理作家協会賞。このほか著書に「探偵ガリレオ」「白夜行」など。

芥川賞・直木賞の選考が行われて、芥川賞に絲山秋子氏、直木賞には東野圭吾氏が決定した。

長年の夢をかなえた、両氏に賞賛を送りたい。

私が望んでも決して取れない賞でしょう。それこそはかない夢になるので、狙いません。

作家と聞くと、頭よさそうに感じてしまいます。