4/06/2006

新発見

内臓の左右決定、遺伝子の働きカギ 東京理大教授ら発表


消化管の曲がる方向など内臓の形の左右が決まるのは、二つの遺伝子の働きがカギとなることを、松野健治・東京理科大教授(発生生物学)らのグループがショウジョウバエで見つけた。ハエなど無脊椎(せきつい)動物だけでなく、人間を含む脊椎動物に共通する可能性もあり、将来の臓器再生技術に向けヒントになりそうだ。6日付の英科学誌ネイチャーで発表した。

 松野さんらは、本来は右向きに曲がる消化管が左向きになるなど、左右反転した突然変異のハエでは、ミオシンというたんぱく質をつくる遺伝子が働いていないことをつかんだ。

 遺伝子が働いていると正常になるが、別の種類のミオシンを大量につくるよう遺伝子を操作すると、やはり左右は反転。それぞれのミオシンをつくる2種類の遺伝子が、左右を決めるカギになることがわかった。

 ミオシンにはアクチンという別のたんぱく質を線路のように使い、動く性質がある。松野さんらは、それぞれのミオシンが左右を決める何らかの物質を運んでいて、その物質に従って個々の細胞が少しずつ動きながら内臓の形の左右が決まっていく、と推測した。

 マウスの臓器形成で左右決定にかかわる遺伝子「レフティ」を見つけた濱田博司・大阪大教授は「ミオシンとアクチンが左右決定にかかわる仕組みの発見は初めて。ヒトを含む脊椎動物とどの程度共通するか調べれば、臓器の形の決まり方の解明にもつながりそうだ」と話している。

消化管の曲がる方向など内臓の形の左右が決まるのは、二つの遺伝子の働きがカギとなることを新発見した。

ミオシンというたんぱく質をつくる遺伝子で、アクチンという別のたんぱく質を線路のように使い、動く性質がある。

ミオシンとアクチンが左右決定にかかわっているらしい。さらなる解明が待たれるところです。