10/09/2005

イグ・ノーベル賞

こんな賞があったんだ。

イグ・ノーベル賞、「去勢犬用人工睾丸」に薬学賞
です。以下に引用します。

ボストン──「笑えるとしか言いようがなく、しかも記憶に残り、人々を考えさせる業績」に贈られる毎年恒例のイグ・ノーベル賞の第15回授賞式が6日、米ハーバード大学サンダース・シアターで催され、「去勢犬用人工睾丸(こうがん)」の発明に薬学賞が贈られた。日本の発明家ドクター・中松氏が、「毎回の食事内容を34年前から写真で記録し続け、現在も継続中」という功績で、栄養学賞を受賞した。

去勢犬用の人工睾丸「Neuticles」を開発した米ミズーリ州オークグローブ在住の事業家グレッグ・ミラー氏は、約10年前から販売を開始し、これまでに15万個以上の売り上げがあったという。人工睾丸には、数種類の大きさや硬さがあり、犬以外の動物向けの製品もあるという。ミラー氏は「両親の考えでは、子供のころの私はバカだった。受賞は光栄だ。両親が生きていて、受賞の様子を見てもらえればよかったのだけれど」と、しみじみ語った。

栄養学賞を受賞したドクター・中松氏は、自分が食べた食事を毎回写真で記録し、食べ物が頭の働きや体調にどのような影響を与えるかを、継続的に研究している。

授賞式には、「本家」ノーベル賞を受賞した科学者や過去のイグノーベル賞受賞者らが出席した。

また、授賞式には出席できなかった受賞者らは、ビデオ・レターや等身大の「人形」で参加し、授賞式は大いに盛り上がった。

授賞式の様子は、インターネット(http://www.improb.com/ig/2005/webcast.html)で公開されている。

今年の全受賞者は以下の通り。

・農業歴史賞:ニュージーランド・マッセイ大学のジェームズ・ワトソン氏の、「リチャード・バックレー氏のズボンが爆発した意味の研究」。ワトソン氏は、第一次世界大戦終了時から第二次世界大戦が始まるまでの期間で、ニュージーランドの酪農における技術変化の側面について考察した。

・物理学賞:オーストラリア・クイーンズランド大学で1927年から続けられている「粘度が高い石油ピッチの滴が落ちる様子を観察する実験」。実験を始めた故トーマス・パーネル教授と、実験を続けている同大学のジョン・メインストーン教授に授与。実験では、1滴の石油ピッチが落ちるのに、平均約9年かかっている。

・薬学賞:「去勢した犬用の人工睾丸の発明」で、グレッグ・A・ミラー氏に授与。

・文学賞:電子メールを利用して「大胆な短編物語(スパム)」を配信し、少ない資本で富豪を引き寄せ、かなりの金額を手中にしたナイジェリアの「インターネット起業家たち」とその協力者に授与。

・平和賞:「映画『スター・ウォーズ』の名場面集」を見ているバッタ脳細胞の電気的活動の観察」を行った、英ニューカッスル大学のクレアー・リンド氏とピーター・シモンズ氏に授与。

・経済学賞:「何度も何度も逃げて隠れる目覚まし時計の発明」で、米マサチューセッツ工科大学のガウリ・ナンダ氏に授与。この目覚まし時計を使うことにより、寝ている人は起き上がって、目覚まし音を止めることが必要となる。その結果、労働可能時間が増え、生産性が高まった。

・化学賞:長い間、結論が出なかった「人類は水とシロップの中の、どちらでより速く泳げるか?」という科学的な疑問について、入念な実験を行ったミネソタ大学のエドワード・カスラー氏とブライアン・ゲットルフィンガー氏に授与。

・生物学賞:「においを発するカエルの分泌物の機能と系統発生的意義についての調査」に授与。オーストラリア・アデレード大学などに所属するベンジャミン・スミス氏とジェームズ・クック大学のクレイグ・ウィリアム氏、アデレード大学のマイケル・タイラー氏、オーストラリア・ワイン研究所のハヤカワ・ヨージ氏らは、131種類のカエルがストレスを感じた際に発するにおいを、辛抱強く嗅ぎ続けて分類した。

・栄養学賞:「毎回の食事内容を34年前から写真で記録し続け、現在も継続中」のドクター中松に授与。

・流体力学賞:基本的な物理法則を使ってペンギン体内の圧力を計算し、その詳細を「ペンギンがふんを出すときに生じる圧力:鳥類の排便における計算」にまとめた、ドイツ・ブレーメン国際大学のビクトル・ベンノ・メイアロコウ氏とハンガリー・エトヴォシュ・ローランド大学のヨゼフ・ガル氏に授与。

同賞実行委員会のウェブサイトによると、選考委員は世界中の科学者や博士、ノーベル賞受賞者、「前科者」など、50人余で構成されている。


「同賞実行委員会のウェブサイトによると、選考委員は世界中の科学者や博士、ノーベル賞受賞者、「前科者」など、50人余で構成されている。」という 「前科者」という言葉には笑わされます。本当なのか、ノーベル賞受賞を以前に受けたものという意味かも知れません。

とにかく、変わった賞ばかりで大いに笑わされます。

まじめにCNNが、取り上げてニュースに流すくらいだから、以前からあった賞なのでしょう。エイプリル・フールにふさわしいとぼけた賞です。こういうニュースは、楽しくなる。

去勢犬用の人工睾丸「Neuticles」を開発した事業家グレッグ・ミラー氏の受賞の弁も面白いし、受賞の内容も面白いです。