妄想性人格障害
妄想性人格障害 について
++ 妄想性人格障害の概論 ++
「妄想」というのは、実際にはありえない不合理な内容だけれども、本人はそれを信じてしまっていて、まわりの人が指摘しても訂正することのない考えのことを言います。
例えば、「誰もその人のことを傷つけたり不当に扱ったりしていないのに、本人はいじわるされていると思い込んでいる」というのが極端になると被害妄想の範疇にだと言えるでしょう。
「妄想」は、精神分裂病の人によくみられる症状ですが、うつ病、中毒性精神病、症状精神病、老年性痴呆などに伴うこともあります(実際には、前者と後者の妄想はニュアンスが違います)。
「妄想」という名前がついているように、現実の状態を信じることをせずに、ささいなことを盾にして「~ではないか」と疑う傾向がひとつの性格としてパターン化されてしまったものが「妄想性人格障害」だと言えます。
特徴としては、まわりの人を疑ったり、妬んだりしやすく、ちょっとした状況の変化に敏感なことがあげられます。また、議論好き、訴訟好きな傾向もあるようです。ほんの些細な言動を取り上げて「裏切られた」という反応を起こしたりもします。
自己愛性人格障害のニュアンスを持っていると、相手の弱点や欠点を指摘ばかりするのにもかかわらず、自分のことを言われると激怒するようなことがあったり、自分の(潜在)能力について現実離れした妄想を持っていることも考えられます。
また、人を信頼することができないので、親密な友人はほとんどいないことが多いようです。そのため、距離をとった対人関係を持つことが多いのですが、中には親密な対人関係を築いてまわりをコントロールしようとするタイプの人もいるようです。
このような人が患者さんだったら、大変だ。医療は善意の集まりだからな。
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